当用漢字(常用漢字)は、その基本的な発想は、日常使う漢字を最小限にするという意図がある。戦後約2000字が選定され、ゆくゆくは、もっと減らして行こうとしていた。
1980年のコンピュータは、表現できる漢字も限られていた(第2水準までで、7000字程度)だったため、図書館の世界ではいろいろ工夫された。
たとえば、新漢字と旧漢字があったばあいは、新漢字をつかう。そうすると、芥川龍之介は、芥川竜之介となる。そのため、国会図書館のコンピュータ目録を引くと、芥川龍之介と竜之介の2つが混在している。(1998年以前は、竜之介に統一されていた)もちろん、同じ理由で、村上龍は、村上竜になっている。
この原理は、JIS水準で拾い込めない漢字(その多くは難しい旧漢字)を、新漢字で置き換えることによって、収録範囲を拡大できるということになる。
このことは、限られたコンピュータ漢字の世界をすこしでも拡大したいという現実的な方法であった。
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もちろん、JIS第2水準 7000字でも、漢字は足りないのだから、常用漢字2000字で日常を表現することことは、なかなか難しいのだが、新聞、放送などは、この2000字枠を、しっかり守っている。
その代表的な漢字は、”経営破たん” 破綻の”綻”字は、常用漢字以外なので、新聞、マスコミなどで使用することができない。
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日本は、日本語をどうしようとしているのか、明確な方針を出すべきなのかもしれない。いや、既に常用漢字などの整備によって、その方針はあきらかなのかもしれないが。いろいろ気がかりですね。

最初制定年 最終更新年
教育漢字 1006字 小学校で覚える漢字 1858年 1989年
当用漢字 1850字 新聞、マスコミ等で用いる漢字 1946年 1946年
常用漢字 1945字 当用漢字表の改定 1981年
JIS第1,2水準 6879字 JIS X 0208-1990
JIS補助漢字 5801字 JIS X 0212-1990
Unicode 34168字 世界各国の文字 1995年 JIS X 0221-1995 
http://subsite.icu.ac.jp/people/kimito/kimito-o5.htm